King Crimson のRedについてご紹介していきます。King Crimsonといえば1stアルバムがあまりにも有名ですが、今回は7thのRedについてです。このアルバムの発表後一度解散します。
諸説あると思いますが、68~69年を第一期、70~72年を第二期、72~74年を第三期とすると、第三期の最終作品となります。
メンバーは、ロバート・フリップ(Gt.メロトロン)、ジョン・ウェットン(Ba.Vo.)、ビル・ブルーフォード(Dr.)
総じて、メタル色の強いアルバムとなっております。終始緊張感が凄まじい。
雰囲気が大きく前半と後半で変わりますね(前半を#1~#3、後半を#4~#5とする)。前半は盛り上がりを見せつつも緊張感漂う展開。後半は落ち着いているが、もの凄く不気味。言葉にするのが難しいですが、暗闇の中をただひたすら当てもなく漂っている情景が浮かびます。前半とは異なる緊張感が漂います。
背景を知っているからか、終焉、退廃という言葉が似合います。盛者必衰という表現が合うのかわかりませんが、バブル期に流行った建造物が廃墟になっていく様と結びつけてしまいます。
(ちなみに余談ですが廃墟好きです。温泉街やホテル、スキー場など。当時盛り上がりを見せたものが崩れ去り、刹那的というか儚いというか、様々な感情に襲われます。当時そこで楽しんでいた方々はどんな気持ちだったのだろうとか、今どこで何をしているんだろうという妄想だけで廃墟ブログ閲覧とか何時間も楽しめます。)
収録曲
# | タイトル |
---|---|
1 | Red |
2 | Fallen Angel |
3 | One More Red Nightmare |
4 | Providence |
5 | Starless |
レビュー
#1、重厚なメタル感漂う楽曲。タイトルはレッドゾーンからとったのでしょうか。めちゃくちゃギターが歪んでますが、メタルといってもメロディックなヘビーメタルというよりかは、無機質なのっぺりとした暗くて重い金属のようなイメージで海王星のようなものを想像してしまいます。虚無的、退廃的という言葉がよく似合いますが、すべてを破壊してくれそうな暗黒さ、激しさを感じます。
★★★★★
#2、イントロでどんな曲なのかとドキドキしていると、期待に反して穏やか。つかの間の休息を与えてくれます。優しい。優しいんだけどものすごく寂しさ、暗黒さ、不安を感じます。虚無感という言葉がこんなにも似合う曲は珍しい。04:00~のギターフレーズ、すごく好きです。
★★★★☆
#3、邦題は「再び赤い悪夢」。変拍子も不協和音もおどろおどろしい。この曲調でなんで手拍子が入るんだろう…。メタルでもあるがちょっとファンキー。いろいろな要素が混ざった曲ですね。チャイナシンバルがカンカン鳴っているところもすごく雰囲気出てます。
★★★☆☆
#4、邦題は「神の導き」。インスト曲で即興らしいです。聴きこんでいると引き込まれますが僕には少々難解でした。
★★★☆☆
#5、こちらは名曲ですね。ただ事じゃないもの凄い暗黒の空気感が漂います。epitaphとなんとなく似ている。寒い夜に散歩しながら聴くのが好きです。
前半は美旋律とも言える主旋律が印象的。頭から離れません。抒情的で、ジョン・ウェットンの力強くも儚い歌唱にも注目。
04:25~はひたすらインストパートが繰り広げられます。暗闇の中を当てもなく途方に暮れながら歩き彷徨っているイメージ。9分前後からはサックスも合流して熱い盛り上がりを魅せる。胎児が産道で産まれようか、産まれないかというところを、「まだ来るな」と言わんばかりの見えない力で抑制されているようなイメージ。11:18~は終わりの誕生とも言うべきか、前半の旋律が再登場することから輪廻転生というべきか、その”終焉の誕生”を祝うかのような、暗闇のトンネルを抜けた後のような展開。そんな心象風景が頭の中で繰り広げられました。
閲覧者は「??」という反応でしょうがあくまで個人的にイメージできた情景です。
★★★★★
評価
S 93点!名盤!
暗くて重いアルバムですね。
雰囲気出てますし、抒情的なアルバムだと感じました。捨て曲はありません。
いろいろな情景を想像することができます。
間違いなく宮殿と双璧をなす名盤です。
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